2005年4月9日

我々は再度、氷上からピックアップされ、スタート前準備を行ったレゾリュート・ベイまで戻ってきた。


ピックアップを受けた飛行機から見た氷上

ここ2、3日の間、チームメンバーの一人が体不調を訴えており、チーム内ではどうすることもできない状況であった。そこで、衛星携帯電話を使って、外部の医療関係者に連絡をとり、指示を仰いだ。

様々な緊急事態に対応できるように訓練されているが、我々は医者ではないので患者の体の中まで見ることはできない。 できることは、応急処置を施し救助されるまで手助けするのみである。 今回、治療道具を持ち合わせておらず(最終診断には必要だった)、また、痛みが増し、症状が進行していたことから、 医師は我々に緊急避難するようにと助言した。

彼の症状は悪化する可能性があり、暖かく安静にしなければならなかった。 幸運にも、我々には、日本、ロシア、ノルウェー各国の医療関係者とコンタクトがあり、自分の症状を自ら直接伝えることができる。 そのお陰で的確な処置と決断をすることができるのである。 ただ、状況が明らかで対応が簡単なケースもあるが、今回の様にはっきりとしない場合は、的確な判断をすることはとても難しい。 とにかく無理して後で後悔するよりも、安全策をとった方が賢明である。


ケン・ボレック・エアのツイン・オッター機の窓から外を見る大場

ケン・ボレック・エアーは本当に頼れる存在だ。チャーターの依頼をしてからわずか2、3時間で迎えにきてくれ、我々は、ベアー・コーナーの南東、次の目的地・グリス・フィヨルドから200kmの地点でピックアップを受けた。 レゾリュート・ベイに着いた我々は、直ぐに現地の医師に症状を見てもらった。 結果は当初予期していたよりも深刻でないことがわかり、一同ほっと胸を撫で下ろした。 しばらくレゾリュートに滞在し、様子をみることにし、万事準備を整えた後、また旅を継続するつもりである。

また、ここレゾリュート・ベイにて、新たな補給を受けることになった。極地仕様ではない衣類なども身につけていたため、1カ月で駄目になってしまったからだ。

これまでの南下の旅を通して多くの経験を積んできたので、ストップする度によりよい改良を施すことができる。また気温もだいぶ上っているため、毎日の生活が快適になる上、装備の機能面も向上している。


ジャケットは二枚構造になっており、二つのレイヤーの間に氷や雪が入り凍り付くため、ナイフでジャケットを裂き、取り除かねばならなかった。 でも今は、機能的に優れた一枚構造のジャケットを受取ったため、今後はそのような作業が必要ではない。

ホームページを通して、私個人にまたチームに対して、多くの皆さんがメッセージを下さったことをとても感謝しております。とてもうれしく心温まるものです。皆さん本当にありがとうございます!


地平線上に浮かぶ陽の光と色
一日の行動の後、キャンプを張ったユーレカ・サウンドのヘア(野ウサギ)・ポイント近くで撮影。このような素晴らしい光景に出会えるからこそ頑張る価値があるというもの。

カナダ北極圏は驚きの連続である。日ごとに決断を迫られ、困難が訪れる度に、最大限の知力を働かして解決に当たらなくてはならないのだ。

次の南へのルートは、かなり困難なものになりますが、私はあきらめるつもりはありません。サポーターの皆さんも引き続き応援よろしくお願いいたします。


よろしく!

ホヴァード・スヴィダル‐ホーガン      


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